衛星データの活用


これまでは,衛星データの利用といえば,何十万円もする高価な専用の解析ソフトが必要でしたが,最近では少なくとも我々が使う=土地被覆分類やNDVIの作成については,ArcGISのエクステンション:Spatial Analystの「画像分類」の機能を使えば,十分に分析に耐えうるものが作成できるようになっています。


◎Terra/ASTERの利用

ASTERの詳細はこちらをご覧ください。解像度が約15mの精度を持つ衛星データです。
購入はインターネットで,カード決済が可能。概ね2〜3日以内にはダウンロード可能の通知がメールで届きます。

1 データを入手(レベル1Bで入手)

2 データの加工
ArcGIS上で利用するには,上記サイトの「利用に便利なツール」から「ASTER Data Opener」を利用して,HDF形式からBSQ形式に変換する必要があります。主に使うデータはVNIRです。
変換方法はこちらに詳しく載っています。特に注意なのはヘッダーファイル(***.hdr)を作ること。
テキストエディタなどで,以下を入力します。BSQファイルと同じファイル名で,***.hdrを生成します。

BYTEORDER I
LAYOUT BSQ
NROWS 4200
NCOLS 4100
NBANDS 3
NBITS 8
ULXMAP 0
ULYMAP 0
XDIM 15
YDIM 15

3 ArcGIS上での読込
2で変換したデータが正常に変換されているかは,ArcCatalogでプレビューすると確認できます。縦長になっていたりする場合は,ヘッダーファイルの「NROWS」と「NCOLS」のピクセル数が逆になっている可能性があります。
ArcMapを起動し,***.bsqをレイヤーとして読み込みます。その際に,ESRI GRIDやERDAS Imagine形式などに変換できます。変換は,レイヤーを右クリックするとエクスポートのメニューがあります。

4 ジオリファレンス
このままでは既存のデータに重ね合わせて表示が出来ませんので,「ジオリファレンス」ツールを使って正確に投影できる作業を施します。いわゆる幾何補正。オルソ幾何補正もできるようです。ジオリファレンスのためには,投影定義がされた例えば海岸線や河川,道路,建物などのはっきりとわかる=参照できる地形地物のデータで,衛星データと比較が出来るものが望ましいでしょう。エラーの値(誤差)ができるだけ小さくなるように,GCPを取っていきます。


5 切り抜き(マスク処理)
ジオリファレンスが終わると,必要な範囲(例えば市域など)だけ切り抜きを行います。Spatial Analystツールの「抽出ツールセット」-「マスクで抽出(Extract by Mask)」を利用します。
大分市で切り抜くとこんな感じです。


6 土地被覆分類
「画像分類」の機能を使います。ツールバーを表示([カスタマイズ]メニューから[ツールバー] → [画像分類] の順にクリック)しておきます。詳細は以下のヘルプをみてください。

ArcGIS Help >>> 
画像分類とは

分析のフローは以下のようになります。



Copyright(C) 1995-2011 Esri. All rights reserved.



基本的には教師付分類で行います。オリジナルの衛星データのここは市街地だよ,ここは森林だよといった感じで「先生」になるわけですね。この「ここは市街地だよ」ということを示すデータを「トレーニングエリア」と言ったりします。ArcGISでは「トレーニングサンプル」と言うようです。


まず[画像分類] ツールバーの [トレーニング サンプル マネージャ] を起動します。詳細は以下ヘルプ参照。


ArcGIS Help >>> トレーニング サンプル マネージャー


そして,トレーニングサンプルが確定したら, [トレーニング サンプル マネージャ] の[シグネチャ ファイルの作成] でシグネチャファイルを作成します。


ArcGIS Help >>> シグネチャ ファイルの作成


そして,最尤法にて画像分類を実行します。


ArcGIS Help >>> [最尤法分類(Maximum Likelihood Classification)] ツールの実行



7 分類後の処理
以上で終わりではなく,まだら模様になっているピクセルなどのいわゆる「ノイズ」を除去します。幾つか方法がありますので,以下参照ください。


ArcGIS Help >>> 分類済み出画像のフィルタリング  << こちらを利用

ArcGIS Help >>> クラスの境界のスムージングと分類済み出力画像の凝集

ArcGIS Help >>> 小さな孤立したリージョンの削除による分類済み出力画像の

ジェネラライズ


◎Landsat TMの利用

Landsat TMはRESTECから入手できます。ASTERに比べるとかなり割高ですね。ASTERが1シーン1万円程度ですが,Landsat TMは8万円くらいかかります。Landsatの方が広範囲で購入できるというメリットもありますが,どれだけカバーされているか?というのも一つの判断材料です。
ASTERと同じように,専用のソフトがなくてもSpatial Analystで十分読込が可能となります。


1 まずは購入
フォーマットはNASDA CEOS(のようです,過去に買ったCDをみると)

2 GIS上で読込
ここで一工夫いります。Spatial Analystの場合は,CDから一気に読み込むことが出来ないようですので,購入したデータの中に入っている以下のファイルそれぞれに,同じ名称&拡張子*.hdrのヘッダーファイルを作ってあげます。またその*.DATというファイルも,拡張子を念のため*.BSQとします。(※この*.BSQですが,変更しなくても読めそう...。ですが,念のため変更。)この*.DATというファイルは,CDの中の「SCENE001」といったフォルダに入っています。

(1)IMGY_01.DAT〜IMGY_07.DAT の拡張子を*.bsqに変更。
   IMGY_01.DATの[01]がバンド1のファイルになります。
   ですので,遠赤外のバンド6が必要なければ,除外しても構わない。

(2)IMGY_01.hdr〜IMGY_07.hdrのヘッダーファイルを作成します。
   ヘッダーファイルは,以下をメモ帳などで作成。

ncols 7020
nrows 5965
nbands 7
nbits 8
layout bil
skipbytes 7020


(3)ArcCatalog上でそれぞれのバンドのファイルを,ここでは「ERDAS Imagine」形式に変換。

(4)そして,変換した*.img形式のファイルを,ArcToolBoxの
[データ管理ツール]→[ラスタ]→[ラスタプロセッシング]→[コンポジットバンド]
   を使って,一つのファイルに統合します。

このプロセスを経ると,1バンドあたり40MBくらいのファイルが,Band1〜5+Band7で大体「200MB」のファイルになります。以下が変換後のデータです。RGB=(Band3,2,1)で表示。北部九州が概ね入るくらいの広さをカバーしてくれるのがLandsatです。バンドによりますが,土地被覆などを作ったときの地上分解能は約28.6m程度ですから,ASTERよりは若干粗くなります。ただ分析上は十分ですね。



これ以降は,ASTERと同じ「幾何補正」→「切り抜き」→「教師付き分類」のプロセスを経ます。
結果的に,マスク処理した大分市域のLadsantデータが以下のようになります。




ちなみに,ArcGISには「Image Analysis for ArcGIS」というエクステンションがありますが,これを使うともっとスムーズにインポートが可能かも知れません。当然,専用のリモセン解析ソフトはもっと便利でしょう。多機能ですからね。


◎データの内挿または集約

データの解像度が異なる場合は,内挿または集約します。

★ArcGIS Help >>> ラスタの解像度変更

ArcToolboxから,[データ管理]- [ラスタ] -[ラスタプロセシング]- [リサンプル(Resample)]。これで,リサンプリングします。
合わせたい解像度のラスタレイヤも指定できますし,セルサイズを直接指定もできます。


◎Image Analysis for ArcGISを使う(Landsat-7 ETM+の読み込み)


ArcGISにはImage Analysisというツールがあります。今は,ESRI Japanからは購入できません。
当方では,ArcGIS 9.2 で使えるバージョンがありますのでその利用例をメモっておきます。

Image Analysis for ArcGISは様々な種類の衛星データをロードできます。
ここではLandsat-7について以下にステップを記します。念のためですが,ArcGIS9.2での操作方法です。

1)ArcMapでArcToolboxを開く。
2)[Image Analysis]-[importers]-[Landsat-7 Fast-L7A to IMAGINE]
3)読み込むファイルをデータの入っているフォルダの,「***_HRF.FST」を指定。
  ※TM-5の場合は,[Importers]でTM-5を選択して,「NULL.DAT」を指定。
4)指定したたファイル名で「***.img」が生成されます。




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