ラスターデータ



ラスターデータの基礎

ラスターデータは,グリッド上(格子)で表現されるデータで,列×行で整理されています。
写真の画像などを考えていただけばわかりやすいと思いますが,画像をグーーーと拡大すると,四角い格子状になっています。この四角い格子の一つを「セル」とか「ピクセル」と呼びます。このセルのサイズが何m×何mなのかによってラスターデータの精度が決まりますが,この精度のことを特に「地上分解能」と呼びます。例えば,ASTERだと約16m。Landsatですと約28m程度になります。この地上分解能が高くなると,画像の精度もグッと上がります。






★ArcGIS  Help >>> ラスタデータとは



ラスターデータのデータフォーマット

上の図のデータ構造がどうなっているのかを示したのが,以下の図です。




X方向をカラム(Column=列),Y方向をロウ(Row=行)といいます。それぞれに,値=Valueが入っています。数値の対応は右にある凡例になります。このデータは土地被覆分類をイメージしていますが,この数値が標高や傾斜度だったりしてもいいわけです。例えば,標高だったら以下のような感じです。



これは,基盤地図情報(10mメッシュ(標高))から標高の値が入ったラスターデータを作成したものです。
ArcGISではラスターデータから等高線を作成できる機能があります。
(実際には,基盤地図情報(10mメッシュ(標高))から直接ラスターデータを作成できるのですが,ここでは説明のため,等高線からラスターの作成手順となっています。)




  • コンター ・・・ ArcToolbox-[Spatial Analystツール]-[サーフェス]-[コンター]
  • 傾斜角 ・・・ ArcToolbox-[Spatial Analystツール]-[サーフェス]-[傾斜角]

また,Spatial Analystには「可視分析」のためのツールがあり,標高が入ったラスターデータがあれば,どこからどこまで見ることができるかの分析も可能です。これは「Spatial Analyst」で説明。

ラスターデータの作成

ラスターデータは,衛星データのような画像や空中写真をベースとして作成されるのが一般的ではありますが,ポイントやポリゴンなどのベクターデータからもラスタデータを作成することができます。また,その逆のラスターデータからベクターデータ(フィーチャ)を作成することも可能です。


ArcToolboxの[変換ツール]から[ラスタへ変換]を開き,上の図の赤枠のいずれかを選びます。
この時,変換するフィーチャの属性値に,ラスターの「Value」に何を入れるかを指定する必要がありますので,あらかじめ割り当てるフィールドの編集が必須です。


ラスターデータの演算

ラスタ演算は,ラスターの値(Value)をもとに計算ができます。ラスターデータ間での計算も可能です。




ラスタ演算は,[Spatial Analystツール]-[マップ代数演算]-[ラスタ演算]を実行します。




赤枠のところに計算式を入れます。
今回作成するのはNDVI(正規化植生指標)という指標です。NDVIの説明はこちらをご覧ください。
Landsatの場合は,以下のような式となります。

NDVI =  ( Band4 - Band3 ) / (Band4 + Band3 )

必要なラスターデータはBand4のものと,Band3のもの。式としては,以下を入力します。

Float("ls1990cutc4" - "ls1990cutc3") / Float("ls1990cutc4" + "ls1990cutc3")

Floatにしたのは,括弧内にあるラスターデータが整数(int型)で入っており,NDVIが小数にならないためです。
これを実行すると,以下のようなNDVI図ができあがります。拡大したものです。



(NDVI / LandsatTMより作成)

この図の場合,黒いほど植生の活性度が高い=緑が多く生い茂っていることを表し,白くなれば植生の活性度が低い=人工的構造物により覆われている...ということになります。このデータを分析するだけでも,都市の緑や自然の状況が把握できるわけです。


ファイルジオデータベースへの格納

ラスターデータもフィーチャ(ベクターデータ)と同様に,ファイルジオデータベースへ格納が可能です。

まず,ファイルジオデータベースを作ります。
その後,以下のように作成したファイルジオデータベースを右クリックし,「ラスターデータセット」をインポートします。






結果的に,以下のようになります。


このように,例えば衛星データであれば撮影時点ごとに,一つのファイルジオデータベースに格納しておけば管理が簡単です。
必要なデータをArcMapから読み込めばOKです。





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